リブラに立ちふさがる包囲網〜事実上ローンチは無理か

 

ここへきてフェイスブックのステーブルコインであるリブラに対する包囲網が一段と厳しくなっているようで今度は欧州市場でその存在が矢面になりつつあります。

 

EUの政策執行機関である欧州委員会がリブラ協会に対し反トラスト規制に関する質問票を送付したことが一部のメディアで報じられています。

 

リブラが利用されることによってやり取りされる顧客情報やその周辺情報の利用実態が市場における自由競争を妨げてしまう可能性があるというのが同委員会の指摘です。

 

これまでのクレジット通貨や一部の電子決済システムなどと違い、国をまたいでかなり大きなボリュームでの決済や送金をリブラが背負う形になるとデータがごっそり奪われてしまい他社の参入がさらに難しくなるということを懸念しているように見えます。

 

後発の競争参入者がだれなのかという問題も残りますが、ひょっとするとこれは欧州の中央銀行が同様のスキームをローンチしたときに大きな障害になることを想定している可能性もありそうで、リブラが考えるようなスキームのステーブルコインのマルチカントリーでの大規模な導入というのは民間企業ではかなり難しいものであることを強く実感させられる状況となっています。

 

今のところEUは特別規制にかかるという動きには出ていませんが、開発途上でこれだけの横やりが入るというのはやはりこれまでの仮想通貨の実装プロセスとは全く異なるものであり、市場が看過することはできないのが鮮明になっていることがわかります。

 

恐らくこうした状況は、フェイスブックに限らずアップルが実施しようとしてもアマソンが実施しようとしても同様の問題を引き起こすことになるでしょうし、グーグルの場合は開発以前の問題として無理そうなことが強く感じられます。

 

仮想通貨開発に関して言えば欧州勢は必ずしもトップランナーを擁しておらず、米国の後追い状態になりかねないところですが、これは日本も同様で世界的な規制についてはあくまで他国に追随せざるを得ないのが現実です。

 

リブラは現時点ではホワイトペーパーが登場しただけの段階ですが、ここまで国を超えて各国で議論されるということは、逆に言えばそのスキームが相当有益なものになる可能性を秘めているということです。

 

果たして誰がこの領域で最初に覇者になるのかが非常に注目される状況となってきました。ただいずれにしてもフェイスブックではなさそうな雰囲気が強く漂いはじめています。